社長あゆさんの新人研修「成長する人ってどんな人?」
作成日:2023.9.28
最近、お客様の新人研修のお仕事が増えています。
研修では、受講生に「本日呼んでほしいあだ名」を考えて名札をつくってもらっているのですが、私は「あゆさん」という名札をつけて講義しています。シンプルですが、社内でも数名そう呼ぶ人がいるので。
さて本日は、その新人研修で、新人の皆さんに伝えると「へ~~」って顔をしてくれるお話をします。(私が社内の新人研修を作る際に、読んだ本で一番「へ~~~」となった話でもあるのですが)
「成長する人ってどんな人?」って話です。
こちらの図解をご覧ください。
左の「機能レベル」が一人でできる範囲。
右の「最適レベルが」が他人のサポートをもらってできる範囲。
人はどんなに頑張っても、結局、この差分しか成長(発達)しない。
となったら、若い頃は、何をすべきか?
私は、最適レベルを高めること、だと思っています。他人の力を借りてでもできることを増やすことに注力することが大切なのではないか、と。
どうしても若い頃って「一人でできることを増やさなきゃっ」と思いがちです。ただそうすると、小さくまとまってしまいもったいない!他人と一緒に大きな仕事をたくさんしていれば、一人でできることは、勝手に広がっていくものだ、と思うのです。
「新人がやることは、周りを頼りまくって、まずはたくさんの仕事を“経験する”こと。そして、先輩が『頼られて嬉しいな』と思える可愛げと感謝の心をもつことが大切だよ。先輩に対するご恩は、これからいくらでも返せるし、先輩からすると頼ってくれたこと自体、嬉しいことなのです」
そんなことを伝えると、皆さん、ハッとしつつ、どこか安心した表情になります。きっと、それでよかったんだ、とホッとしてくれるのかな、と。
新入社員や若手の社員さんが自分の部署にいる先輩の皆さんは、ぜひ若者にこんなことを伝えていただきたいな、と思います。
また以前、職サークルで「成長」について研究をした際、「成長のきっかけを提供する支援者にとって重要になる姿勢」を以下のように定義していました。
▼以下、レポートより一部抜粋
成長のきっかけを提供する支援者にとって重要になる姿勢が 2 点あります。
一つは、特に主観的かつ一時的な成長を見た際に、つかみどころがなく、捉えにくいと諦めてしまわないことです。そうすると、成長の種子は芽が出る前に腐ってしまいかねません。若者の内部で静かに起こっている成長を敏感に察知しなければなりません。少なくとも察知しようと意識することが求められます。
もう一つの重要な姿勢は、成長を信じることです。
「信じる」と言うと怪しげな印象がますが、例えば、北海道大学の松尾睦氏は、「育て上手のマネジャーの指導方法」(2013 年) という論文において、育て上手なマネジャーは、若手社員の成長可能性を「信じ」、若手社員に寄り添っていることを実証しています。
若者の成長を信じるからこそ、若者の成長に関与しようとするのです。
このような人間心理は、心理学においては「予言の自己成就」と呼ばれます。予言の自己成就とは、自分で予言や期待を設定すると、それに沿った行動をとるようになり、結果的に予言が成就する現象を指します。成長を信じることは、成長に寄り添うことをもたらし、結果的に成長を実現することに繋がるという意味で、予言の自己成就的であると考えられます。
成長を信じることの重要性は、何も周囲に限ったことではありません。本人にも当てはま ります。東京学芸大学大学院の藤井勉氏らは「達成動機づけにおけるプライミング効果」 (2009 年)という論文で、「知能は努力で伸ばせる」と考える人は失敗を当然視し、失敗を糧にするものの、「知能は変化しない」と考える人は、難しい課題に負の感情を覚えることを見出しました。このように、若者と支援者の両者において、成長を信じることは、成長支援の大事な出発点になります
どうでしょうか。
成長を支援する立場の人間が一番大切にすることが「成長を信じること」。
そして、自分に一番近い存在である自分自身が「自分の成長を信じること」が大切。
とってもとっても大切なことだな、と思いました。
研修講師として、組織の長として。自社の社員はもちろん、自分がかかわったすべての若者の成長を一点の曇りもなく信じる。そんな大人であり続けたいな、と改めて思いました。
そして46歳になる自分の成長もまだまだ信じ抜きたいと思います!
皆さまも、今後の吉川とパフの成長を信じていただけると嬉しいです。