STAFF COLUMN

スタッフコラム

新卒入社3年目が語る、定着・活躍のためのヒント

作成日:2024.7.1

こんにちは、新卒入社3年目の冨田です。

先月6月7日に、職サークルシンポジウムが開催されました。

 

当日は、3名のゲストをお招きして「若手の定着・活躍のための組織論、採用論」を

お話しいただきました。

・著書『ゆるい職場』が話題となったリクルートワークス研究所主任研究員の古屋星斗氏
・現場で採用と教育に取り組まれてきた企業2社の人事担当者

 

今後の採用や育成がどうなっていくのか、

採用・研修支援を仕事にしている者としても、自社採用を担当している者としても

気づきや勉強になることがたくさんありました。

 

・・・が、今回は「社会人3年目として」

講演を聞いた私の感想を等身大でお届けします。

 

(4月に書いた下記コラムも、ぜひ併せてご覧いただけますと幸いです!)
新卒入社3年目に突入した私が今抱える”不安”とは


「最近の若者は」どこが変わった?

 

みなさんは、今の若者を見てどう感じられますか?

「最近の若者は…」と何か思うところがある方もいらっしゃるかもしれません。

 

私も社会人3年目になって、私も今の若者に対して

もやもやすることも増えてきました。

友人との会話やSNS、お客様との打ち合わせ…

いたるところで、いろいろなエピソードを聞きます。

 

「まだ2時間しか働いていないのに、「疲れた」とずっと話している」

「退職されたくないから、上司が若手社員をお客様扱いしている」

「失恋したことをきっかけに、心を病んで引きこもりになった」

 

・・・などなど。

 

わたしは、正直なところ「弱い」と感じてしまっています。

 

なぜそう感じるのか。気持ちの根底を覗くと、

「私だって頑張ってるのに、甘えないでよ」という言葉が書かれています。

 

私だって、心の中で「消えたい」という言葉で頭が埋め尽くされる朝や夜を

幾度となく過ごしてきているのに、それでも這いつくばるように日々を過ごして

必死に生きているのです。

 

そんな自分と比べると、「今の人は弱い」と思うこともあります。

しかし、そう思う度に「ゆっくりでも相手のペースに合わせる」という

自分の中にある理想の先輩像と比べて、

「自分はなんて懐が狭いのだろう」と思って嫌気がさします。

 

最近、なぜ自分がそう感じてしまうのかを考えた際に、

自分の経験してきた環境が、今の私の”価値観”をつくってきたと感じます。

そして、”私の価値観”でしか、相手を見られていないのだと気づきました。

 

例えば、私は中学~高校とカーストのド底辺にいました。

6年間のうち4年間くらいは、陰口を囁かれ、何となく避けられる日々の中は

決して楽しくなんてありません。

唯一の生きがいは、学校帰りのゲームセンターでリズムゲームに没頭することでした。

 

そんな『青春』という言葉からかけ離れた日々は、私にとって屈辱的で悔しくて、

「学校を休めばもっと悪口を言われるだろう。」

「少しでも言われないように、行かないと。」

と思い、意地でも休まずに毎日学校に通っていました。

(さすがに修学旅行は、一人になるのが嫌で何回か仮病を使って休みましたが…)

 

この「逆境」にも抗おうとする経験があったからこそ、

今の私に「悔しさやネガティブな感情をガソリンにして、立ち上がる力」や

「意地でも這いつくばる強さ」をもたらしたと思います。

 

今思い返すと、自分のどんな経験も決して無駄ではなかったし、良い経験になった。

自分自身の経験で得た強みに、自信があるんでしょうか。

「自分ができるのになぜできないのか」と考えてしまうのだと思います。

 

今、私が「弱い」と思い込んでいる相手は、

きっと私とは違った環境で育ち、経験をしてきていると思います。

 

そう考えると、表面的な現象だけを聞いて

「弱い」と思うことこそが浅はかで、相手のことを何も理解できていないのでしょう。

 

相手がどのような価値観を持っているのか、

その裏には、どんな環境で育って、どんな経験をしてきたのかを知るために

まっすぐ向き合うことが重要なのだと思います。

 

セミナーでは、「Z世代はこれまでの世代にない独自の価値観を持っている」と

古屋さんからお話がありました。

 

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今後の職業生活における志向性について聞くと、「プライベートを大事にしたい」傾向が強い以外は、共通する志向が見られない。

本当に重要なのは、「若手が(平均的に)どんな価値観を持っているか」ではなく

「目の前の若手がどんな人間か」を知ること。

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「最近の若者は…」に関する話で面白かったのは、下記の記事の内容。

約50年前から書かれていたことだそうです。

 

あなたはどう感じますか?

 

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・「最近の若者は、とくに組織からの離脱傾向が強いと一般的にいわれるが…」

(1974年 週刊労働ニュース)

・「最近の若者は自分の信念を大切にしたいと考える一方、『他人が自分をどう見ているか』という”他人の目を気にし”、他人への気配りにも神経を使っている。また、『将来のための努力』より『毎日の生活』を楽しみ、安定志向が強く、親友とも適度に距離をおいてつき合っている」

(1986年9月28日 東京読売新聞)

・新人研修「指示待ち世代」の難しさ

(1993年4月17日 毎日新聞)

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古屋さんは、「世代で括るのは無意味で、他の世代と同様に個々は多様」、

「しかし、育ってきた環境によって、それに合った価値観や行動が生まれる」と

お話しされていました。

(変わったことは、「人口動態」「法律」「労働市場」の3つだそうです。)

 

環境の変化のなかで、一人一人経験してきていることは異なっていると思います。

より目の前の相手の本質を知ろうとすることが、

お互い快適に働くために重要になってきているのだろうと感じました。



あなたが「今の会社で働く理由」は何ですか?

また、他に印象的だったことは

定着のためには「在職の理由を言語化できるかどうか」が重要であることでした。

 

皆さんは、今の会社でなぜ働いていますか?

 

確かに、よくある「入社の決め手」は

大きな覚悟をもってパフを決めたこともあり印象的でしたし、

日頃学生から質問されることもあり、比較的スムーズに答えられます。

 

しかし、「なぜ今パフにいるのか?」という質問には、上手く言葉がまとまりません。

意思をもって決めたはずなのに、何となくこの場所にいる感覚です。

 

・雇ってもらっているから、給与に見合った働きをしたい

・採用してもらった恩を返したい

・社員が素敵でコミュニケーションがとりやすいから

・お客さんと近い距離で仕事ができる

 

・・・どれも、別にパフ以外にも言えてしまうような理由です。

 

古屋さんからの問いかけで、

私はいま、きちんと「在職の理由」を見いだせていないのだと思いました。

 

在職の理由が言語化されていないから、

「これからこのままここにいていいのか」と漠然とした不安を持っているのだろうと

感じます。

 

前回のコラムで書いたように、

「心理的安全性」「キャリア的安全性」はもちろん必要です。

 

上記2つの要素がしっかりあれば、

「安心できる環境」で「自信をもって働く」ということはできるかと思います。

 

ただ、その間には、「在職の理由」も併せて考えることが必要だと思います。

 

今の場所でしかできないことは何なのか。

この場所で、だれにどのような価値を提供し、どのようなやりがいを得たいのか。

 

すべて合わせると・・・

 

・自分が安心できるこの場所で、(=心理的安全性)

・ここでしかできないこの価値を提供するために、(=在職の理由)

・これからこんなキャリアを描きたい(=キャリア的安全性)

 

この3つが揃って、ようやく「この会社で働き続ける理由」が

明確になり、納得して定着するのではないかと考えます。

 

わたしは正直なところ、まだこの言語化ができていないのですが…

上記の3つをきちんと整理する機会があれば、

「3年目になってから現れた”漠然とした不安”」は少しは晴れる気がします。



新卒入社3年目が思う「定着・活躍のためヒント」とは

 

社会人歴もまだ浅い私が思う「定着・活躍のために必要なこと」とは、

 

採用段階では、相手の価値観をつくった経験は何なのかを深く知り、

お互いが本音で語り合えるような関係になることで、納得して手を取り合う

就職活動/採用活動をすること。

 

入社後は、「心理的安全性・キャリア安全性」のある場所で、

「在職の理由をもって働く」ことを支援すること。

そのためにも、会社として働きやすい制度・キャリアステップをつくり、

「なぜここで働くのか」を考えて言語化する機会を設けることが有効だと感じました。

 

いずれにしろ、相手のバックグラウンドを深く知り、理解し合うことこそが

「採用成功」にも、その先にある「定着・活躍」にも繋がるのではと思いました。

ではでは、今日はこの辺で。

 

画面の前にいるあなたに、輝かしい未来が待っていますように。

 

 
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