水星の魔女と採用における魅力付け
作成日:2023.7.26
どうも、大岡です。
最近キックボクシングを始めました。
8月に同窓会、9月に結婚式というイベントを控えてこの胴回りはやばい、というのと、もう何年もまともに運動をしていなかったところに日常的に腰痛や謎の土踏まず痛が出ており、さらに運動から遠ざかっていくという負のスパイラルに浸かり、このまま老いさらばえていくのではないか?という危機感があり、というのがその理由です。
腰痛持ちがキックボクシング?と自分でも思いますが、不思議と通う当日には腰痛は収まり、しっかり動けるのです。終わった後にまた痛くなるんですけどね。
たかだか週一ですがまともに運動をしている日常になったことで、今日は酒を控えてみようかなとか、断食にチャレンジしてみようかな、とか中途半端な健康志向になっている気がします。
ちなみに4回くらい行きましたが体重に変化はありません。
気づけば同窓会まではもう2週間ちょっと。真面目に断食しないと変わりませんね。
さて、役に立たない前段の後はもっと役に立たないテレビアニメの話です。
※オープンカンパニーとインターンシップの使い分けの話と迷ったんですが、そっちは来月でもいいかなとこちらを優先します。
かなり話題になりました、『機動戦士ガンダム水星の魔女』。
みなさん、ご覧になりましたか?
結果としては非常に高い評価を得て、終わった後もしばらくSNSで話題が続くくらいの素晴らしい作品でした。
この作品の個人的にすごいなと思った部分を列挙します。
ネタバレはさほど含まない、と思いますので気楽に読んでください。
①エピソード0を事前に配信
放送開始よりかなり前に、ネットで本編の前の段階の物語が配信されました。
しかも最初は確か期間を限定していたので、仲間内では「今日だぞ!」みたいな連絡が飛び交っていたのを覚えています。
結局これは独立したエピソードではないどころか物語の根幹にかかわる話でした。
なにがすごいって、全員がこれを見ると信じているのです。
テレビだけを追いかけるような見方はもう誰もしないことが前提になっていることに驚きました。
②「GUNDAM」の解釈を変えて新たな定義づけをした
ガンダムというのは最初の機動戦士ガンダム(いわゆるファーストガンダム)に登場する主役メカの名前です。この作品が大当たりしたことによってガンダムシリーズがその後かなりの数作られています。※私はZZの途中で脱落しました。
シリーズを通して基本的にガンダムというのはモビルスーツと呼ばれるロボットの名前です。初代はただのガンダムでしたが、●●ガンダム、ガンダム●●という感じで固体名がつけられています。
今回の水星の魔女も主役機はガンダムエアリアルというモビルスーツなのですが、この作品ではガンダムを「GUND・ARM=ガンドアーム」という総称として新たな意味づけをしました。
細かいことですが、ただガンダムってつけりゃいいってもんじゃないんじゃないの?という視聴者に対する一つの投げかけだと思っています。
③考察動画が乱立
この作品は序盤から中盤にかけて非常に謎が多い作品でした。主人公の出自、お母さんの変わり様、主役ガンダムの特殊性などなど。
当然それはのちに作品内で明かされていくのですが、世のYOUTUBERはそれを待てませんでした。
コマ送りで一瞬で消えるカットに表示されている文字を拾って、これはきっとこういう設定の布石だ!みたいな考察をするものが相次ぎ、私の周りの多くの視聴者はこの考察動画も併せて見るのが普通でした。
他作品でもこういった傾向はあるのでしょうが、自分自身が視聴するという行動に起こしたのは初めてだったので新鮮でした。
ちなみに考察はほぼ当たっていました。
④最終回直前にあらすじ3分動画を配信
謎が多いだけでなく、いろんな登場人物の思惑が絡み合い、また、組織としてもちょっとわかりづらい設定の上に物語が進行するので、正直私も置いて行かれそうになるところを考察動画でどうにかついていっている感がありました。
考察動画なしでは何となく面白いけど現状どうなっているのかは頭で整理されていなかったと思います。
そしたら最終話の前の前の段階で現在はこういう状況ですよ!っていうあらすじ動画が流れてきたんです。
ついていっていると思っていた私も、あーそういうことだったのね!と理解を進めることができ、フィナーレを最大限に楽しめました。
これに限らずちょいちょい公式から視聴者の状況を慮った配信があったのもこの作品がすごいと思ったところです。
まとめると、
①ではただ待たせるのではなく、実質的な第一話を先出しして本編への期待を膨らまさせる。
②はへーそんな解釈なんだ。面白いじゃん。とその設定がどう生かされるのか、に期待を抱かせ、
③ではSNSという発信メディアがあることを前提に考察動画を皆が発信し見るという行動をおそらくは想定した小出しのヒントで、考察はあっているのか?実際はどうなのか確かめたいという欲求を喚起し、
④で途中参加組や考察などを見ていなくてちょっとついていけていない層に対し、一気に理解を進めてラストへの盛り上がりを作る。
といった様々な手法で理解度と期待度を上げ続けたんですね。
視聴者はファーストガンダムの世代とは気質も環境も変わっている、その視聴者に合わせて刺さる取り組みをあの手この手で繰り出し、気持ちを切らさせない。
作品を良くすればいいだけではないのです。
伝えたいものがあるのであれば、それをどのタイミングでどういう手法でどういう順番で伝えていけば刺さるのか。
それをすごく考え抜いて作られている作品だったと。
むりやり仕事につなげますが、
採用における魅力付けも同じです。
学生の状態に合わせて、伝えるべき情報の種類と伝える手法を変えて自社に対する気持ちを切らせない。
そんなコミュニケーション設計を作り上げたい。
最近、伝える手法が固定化しているなと感じているので、今の若者に刺さる手法を継続して考えていきたいと思います。