自転車操業物語 プロフィール
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  第37話    「“うまれよ塾”命名の秘密2」    
1999年4月中旬のある日の夕方。

ボクは、某就職情報大手R社のM氏と会っていた。
M氏は、ボクの独立に際して大きな影響を与えてくれた人で、おそらくM氏
がいなければ、今のパフは出来ていなかった…そういう人物である。

※詳しくは『パフの創業物語』
第42話「独立決意前夜」 、第43話「独立決意前夜その2」 をご覧
※ください。

そのM氏と、有楽町のガード下で飲んでいた。

M : 「おー、クギサキ、久しぶり!会社どうだ?」

釘 : 「いやー、なんとか倒産スレスレで持ちこたえていますよ」

他愛ない会話で、安酒を酌み交わしていた。
なんの話題からそうなったのか、R社の面接の話になった。
M氏は、R社の新卒採用にも関わっており、毎年多くの学生の面接を担当し
ていた。

M : 「クギサキさー、昔、俺が面接した学生に、おもしろい奴がいてね…」

釘 : 「へー、どんな学生なんですか?」

M : 「うん。なんだか俺、そいつにすごく奥深い魅力を感じて、長い時間いろ
   んなことを話し込んでいたんだ」

釘 : 「へー」

M : 「それで、そいつの子供の時の話になったんだけど、そいつの親父さんが、
   毎日欠かさず、そいつに対して聞いていたことがあるらしいんだ」

釘 : 「なんですか?そんな毎日欠かさず聞いていたことって?」

M : 「うん。4つあるんだよ。

ひとつめは、『おまえ、今日はウソをつかなかったか?』
ふたつめは、『おまえ、今日は負けなかったか?』
みっつめは、『おまえ、今日は礼儀正しくできたか?』
よっつめは、『おまえ、今日は弱いものいじめをしなかったか?』

…この4つのことを、毎日毎日繰り返し、聞いていたらしいんだ」

ボクは、震えるほどの感動を覚えた。
人間にとって、もっとも大事なことが、この4つの問いかけの中に凝縮され
ていると思った。

M : 「俺、感動しちゃってさー。以来、自分の息子にもノート作って同じコト
   を聞いているんだ。題して『うまれよノート』だよ」

釘 : 「うまれよ?」

M : 「そう、うまれよ。ウソをつかないの『う』、負けないの『ま』、
   礼儀正しくの『れ』、弱いものいじめをしないの『よ』、なんだよ」

釘 : 「そっかー。『うまれよ』かー。実にいい言葉だなー」

M : 「だろ?この『うまれよ』は、俺の著作だからな!」

釘 : 「Mさん!その『うまれよ』、パフでも使わせてください!」

M : 「え?おまえんとこのビジネスに、なんか関係あるの?」

……

これが、パフの就職講座が“うまれよ塾”と名づけられたイキサツであった。
今日初めて明かすエピソードである。おそらく今までの受講者も、パフの社
員も知らないエピソードである。

(そりゃ言えないよね、ガード下で命名されただなんて。…つづく)

 
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