自転車操業物語 プロフィール
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  第40話    「番外編:今年のインターンシップ山本君の話(前編)」    
前回までは、1999年。
当時の3年生インターンシップ植杉が、無理矢理
イッキ飲みをさせられて救急病院に運び込まれた話でした。

「まーったく当時の奴らは、どうしようもなかったなッ!」と腹立たしい記
憶がよみがえってきたボクでしたが…。

そこで、今回は口直し(?)に、ごく最近のインターンシップのちょっと
だけ良い話を、番外編として書いてみたいと思います(番外編なので今回はデ
スマス調)。

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2002年8月上旬。

日大の生産工学部の先生から、ボクのところに突然電話がかかってきました。

「パフさんで、インターンシップ生をひとり受け入れていただきたいんです
が…」

ちょうど、大学向けの広報スタッフを募っていたときでもあったので、2つ
返事で

「喜んで受け入れましょう!」(もちろん、こんな単純な会話ではなかった
のですが)ということになりました。

そして数日後。パフにやってきたのが、日本大学生産工学部の3年生、山本
優くんという男子学生。陸上部に所属しているという彼は、色こそ黒かった
のですが、ちょっと(いやかなり)弱々しく見えて、「大丈夫かなー、こい
つ…」というのがボクの率直な第一印象でした。

事実、彼は声が小さくて「もっと腹から声を出せ!!」などと、いったいパ
フはいつから応援団になった?みたいな激を飛ばすことに。

インターンシップは10日間という取り決めでした。
山本くんのインターンシップ期間中の任務は、「大学向け広報」の仕事。

「大学向け広報」と言えば聞こえはいいかもしれませんが、実際のところは
「飛び込み営業」とあまり変わりはありません。

大学の就職部にアポなしで飛び込んで、見ず知らずの教職員にパフのことを
理解してもらい、チラシを置かせてもらったりポスターを掲示板に貼らせて
もらう…。(大手就職サイトではない)パフにとっては、度胸の必要な泥臭
い(でもとても重要な)仕事なのです。

自分で自分のことを「話しべた」と言っていた山本くん。

最初のうちは「どうなることやら」と心配していたのですが、1日1日経つ
につれて、逞しくなっていく山本くんがそこにはいました。

日々の反省を生かししつつ「明日はこういうふうに学校の職員に対して説明
しよう」というような行動を自分で工夫しながら繰り返していったのです。


そして、インターンシップ最終日。
締めくくりとして、ボクは彼と一緒に、明治大学と早稲田大学の就職部に同
行して、プロ(?)の説明を見せてあげることにしました。
大学での説明を終えての帰り道、地下鉄のホームでの会話。

釘 : 「10日間パフで仕事してみてどうだった?」

山 : 「は、はい。今まで考えていた“仕事”とか“会社”とか“就職”とか…」

釘 : 「ん?」

山 : 「なんだか、全然違うなって。好きとか嫌いとか。得意だとか苦手だ
    とか…、そんな小さな狭いレベルで考えるんじゃなくて、もう一回色々と
    イチから考え直してみたい、これからの就職活動を視野を広げながら積極
    的にやってみたい…、そんな気持ちになりました」

うーん。泣かせるじゃん!
でも、もっとボクを泣かせてくれるプレゼントを、山本くんは後日持って来
てくれたのでした。

(長くなるので、続きは次号で!)

 
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