1997年夏。僕は大事な方々2名との出会いを得た。もう丸9年も前のことだが、このお二人との出会いは、僕のその後の会社運営に、大きな影響を及ぼしている。
今回から数回のコラムでは、このお二人のことを紹介したいと思う。
ひとりは、オフィスマネジメントシステム(略称OMS)の石山さん。そしてもうひとりは、ダイワコーポレーションの曽根さん。
お二人とは9年前の夏のとある夜、一緒に飲んで歌って騒ぐことによって親睦を深めることになった。
元々は、(前回登場の)鉢嶺さんが、僕に石山さんを紹介する目的で食事の場を設けてくれたのだった。そして、石山さんが、「せっかくなら」ということで、曽根さんを連れてきてくださったのだった。
石山さんは当時、営業部長、40歳(たぶん)。曽根さんは当時、取締役本部長、29歳。鉢嶺さんは当時、代表取締役社長、29歳。そして僕は当時、営業推進部長、36歳。
皆、それぞれに責任のある立場ではあったのだが、銀座の飲み屋さんでの(このコラムでは書けないくらいの)年齢や立場を忘れた他愛ない遊びで、いっぺんに仲良くなっていった。
この銀座での出会いから約4ヵ月後。僕はあらためて石山さんに電話をすることになる。
「あ、石山さん? 覚えてますか、銀座でご一緒した釘崎です」
「え、釘崎さん? 覚えてますとも。どうもその節は。いやー、あの晩は楽しかったですね(笑)」
「本当ですね(笑)。ところで、きょうは、石山さんにご相談があって電話したんです……」
「え?どうしたんですか」
「実は僕、会社を創ることにしたんです。それで、事務所も小さいところを借りようと思っているんです。机とか椅子とかブラインドとか、これから揃えなきゃならないんですが、どうすればいいのか、さっぱり分からなくって……」
「そうですか、いよいよ独立ですか。わかりました。及ばずながら応援させてもらいますよ!」
そう、石山さんの会社(オフィスマネジメントシステム)は、その社名の通り、オフィス環境のトータルコーディネートを行う会社であり、様々なオフィスの設計や、オフィス家具・什器・電話・LAN設備の調達、施工まで一貫してやっている会社なのだ。
石山さんと、石山さんの会社のおかげで、僕の独立時の事務所の立ち上げは極めてスムーズに行えた。
あり得ないくらいの低コストで、机や椅子や会議テーブルやブラインドなどを手配してもらった。たとえば、椅子が一脚で千円とか2千円とか、そんな値段だった。創業時の、1円でもお金を大切に使わなければならない時であり、ずいぶんと助けていただいた。
しかし、助けていただいたのは、事務所の立ち上げのときだけではなかった。
(次回に続く)
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