1984年4月某日。
東武東上線上福岡駅からタクシーで15分ほど坂道をのぼったところに、ボク
が「偽SE」として乗り込んだ会社「T社」の技術センターがありました。
リクルートで、どんな相手にも怖じ気づかない営業マインドだけは備わってい
たボクなので、受付でも堂々と、
「えー、S社のクギサキと申しますが、計装技術部のS藤さんとE本さん、
御願いします」
と言ったまでは良かったのですが…。
数分、打ち合わせコーナーで待たされた後に現れた2人の、いかにも頭の良さ
そうな技術者。S藤さんとE本さん(ご本人に承諾の連絡がとれませんでし
たので伏せ字で失礼します)。
お二人とも当時、30才半ばの、いちばん働き盛りのバリバリのエンジニアで
した。
S藤さん「あー、どうも初めまして。クギサキさんと仰るんですな?ほー、
珍しい名字ですなー。ご出身は?、え?九州?、はーそうですか、
いや、私はですな、東北出身でですなー、九州というと、お酒は
お強いんでしょうなー。私の田舎も日本酒はなかなかのもんでして
ねー…」
という感じで、技術者には珍しく、よく喋る、超フレンドリーな方で、
打ち合わせも円満に進むかと思われたのですが…。
約1時間後。
強烈なパンチに打ちのめされダウン寸前の「偽エンジニア釘崎青年」が朦朧と
した意識で立ちすくんでいようとは…。
(え?今日はたったのこれだけ?…つづく)
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