自転車操業物語 プロフィール
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  第23話    「寺さんの営業マン研修」    
1998年10月下旬。日曜の早朝。

パフの俄か営業チームは、寺さんの営業マン教育を受けるために、三田の事
務所に集合していた。

寺さんは、昔、一部上場メーカーでSE兼営業をやっていた人だ。
その後、系列の販売会社に対しての営業教育をやっており、ちょうどその時
の活躍ぶりがリクルート社の目にとまり、スカウトされてリクルート社に転
職したという人だった。

リクルート社では、今の「B-ing」や「とらばーゆ」の企画部門を皮切
りに、営業所長、営業部長、関連会社の役員などを歴任し、その後独立して、
コンサル事務所を開いたのだった。

当時、寺さんはちょうど50歳。見るからにパワーが漲っている人で、団塊
の世代の厳しい生存競争を生きてきた人は、さすがに逞しいなー…と思った
ものだ。

そんな営業のスペシャリストである寺さんに、「営業の極意」を教えてもら
おうと、我々は集合した。

我々は…と言ったが、この日、実は3名しか集まらなかった。

大手有名メーカーから中途入社してきたTさん。
ある会社から出向してきていたKさん。
そしてボク。である。

当時、パフの営業マンは他に2名。本職大学4年生がインターンシップ生と
して、営業活動を行って(行わせて)いた。OS君とN君だ。

ホントは彼らにも「寺さん」の研修に通ってもらいたかったが、日曜日なの
で、さすがに強制するわけにもいかず…。

人数的には少し寂しい研修会だったが、かなり盛り上がった研修となった。

詳しい内容は省くが、1日終ったあとには、「翌日からバンバン売れるよう」
な気持ちになったのではないか?

そんな甘い夢から覚めるのに、3日も必要なかった。


実は、「寺さん」からの電話もちょうどその時にいただいており、営業マンの
苦戦を見事に予想していたのだった。

ボクは苦しい決断を迫られていた。

(なに?決断って?つづく)

 
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