1999年4月。
パフが初めて行う就職講座の日がやってきた。
釘 : 「寺さん、ホントにみんな来ますかねー。あんなこと要求して…」
寺 : 「来る。来るって、釘さん!あー、楽しみだなー♪」
ボクの心配をよそに、寺さんはウキウキしている。
(ったく、ホントに大丈夫なのかな…)
ボクは、今日の就職講座で、講師の寺さんが受講生に要求した“あること”
を心配していたのだ。
“あること”とは…。
受講生全員に、講座参加にあたって“講師にプレゼントを持ってきなさい”
と要求していたことだった。
まだ見ぬ「寺さん」という講師に、いきなりプレゼントを持って来い!と
いう。学生は「いったいなんだそれ?」と思うに違いない。
怪しすぎる…。
と、いうことがあってボクは心配していたのだ。
…開始時間が来た。
なんと!申込者全員が時間通りに集まっていた。
ボクの心配はまったくの取り越し苦労に終ったのだ。
寺さんの絶好調の講義が始まった。
さすが、企業研修の講師を長年やっている寺さんだ。学生を独特の講義ス
タイルでみるみる引き込んでいった。
さて、プレゼント贈呈の時間が来た。
寺 : 「ところでみんな、プレゼント持って来たよね?今から一人一人私に、
プレゼントの贈呈をやってもらいます。私にプレゼントを渡すとき、
簡単にプレゼントのプレゼンテーションをやってもらいます。
そして、そのプレゼンテーションを他のみんなはよく観察した上で、
今から配るシートに、◎○△×をつけてください!」
そうなのだ。プレゼントとは、この日の教材のひとつで、自分のプレゼント
の発表ぶりを相互評価するというものだった。
これが最高に面白かった。学生の持ってきたプレゼントは、ローソクだとか
ユンケルだとかミカンだとか、バラエティに富んでおり、その表現方法も多
彩かつユニークで、いっぺんに場が盛り上がった。
この後、いくつかの講義や本番さながらの模擬面接などを行って、パフ初め
ての就職講座は終った。参加した学生諸君は一様に満足した表情を浮かべて
いた。
もちろんボクらの満足度も高かった。
講座に参加した学生は皆真剣である。その真剣な彼らと、たったの数時間で
はあるが、ボクらも真剣勝負で臨む。実に充実した時間だった。
さて、こうして1回目の就職講座は無事終ったのだが、この就職講座には、
まだ名前が付けられていなかった。
数日後、ボクは「これだ!この名前しかない!」という名前に偶然出会った。
その名前は、「うまれよ」。
パフの就職講座「うまれよ塾」である。
釘 : 「寺さん、就職講座の名前決めましたよ。うまれよ塾です。どうです?
いい名前でしょ?」
寺 : 「う・ま・れ・よ…?なんね、それは???」
「うまれよ」とは、ボクが昔、就職情報会社R社で働いていたときの悪友で
あったM氏と有楽町のガード下で飲んでいたときに、M氏からふっと出てき
たキーワードだったのだ。
「うまれよ…なーんて素晴らしいコトバだろう!
そうだ!パフの就職講座は“うまれよ塾”で決まりだ!!!」
“うまれよ”の4文字には、それぞれ隠された意味がある。
その隠された意味とは……。
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