2000年6月第3週目。
前の週から行っていた(火・水・木の3日間実施)、パフの会社説明会が
第2週目に突入した。
1日に2回開催していたので、すでに6回開催したことになる。
一週目の開催では、1回の平均参加者1名。
少ないときで0名。多いときでも2名しかいなかった(定員は7名)。
しかし、2週目の説明会は様子が違っていた。
たくさん学生が訪れるようになったのだ。
1回あたり満員という回もあった(でも平均は3~4名くらいだったが)。
おそらく、ボクがメンバーメールを通じて学生を一喝したのが効いていたの
であろう。
来られない学生は、ちゃんとキャンセル手続きするようになった。
そして、空きが出た回には、他の学生が申し込んでくれた。
「へぇー、怒ってみるもんだなぁ…、こんなにたくさん来てくれると、説明
のし甲斐もあるってもんだ」と感心したものだ。
……ところで、このときのパフの選考は、おおむね次の通りだった。
▼1次選考:会社説明会&応募書類提出&ディスカッション
▼2次選考:筆記試験(SPI)&面談
▼3次選考:最終面接(1対1)
第1週目の説明会(1次選考)は、全日程の参加者を合計しても、わずか6
名しかいなかった。しかし、少なくとも1名は2次選考に呼ぶつもりだった。
その1名とは、東京経済大学の「ヨシカワアユ」という学生( 前号参照 )。
たった1名の状態での説明会だったが、ボクは彼女のおかげで、とてもノリ
ノリで説明会ができた。
それと、実はもう1名、通過させようかどうしようか、判断に迷う学生がい
た。
その名は、「ササキタカノリ」。
高崎経済大学の学生で、大学では応援団長を務めていたらしい。ただ、留年
しており、当時すでに5年生。髭の濃さは応援団っぽいのだが、小柄で猫背
で変な敬語(やたらにへりくだる言葉遣いで、ほとんどが文法上解析不可能)
を連発していた。
不器用そうで頼りなさげな男だったのだが、捨てきれない何かを持っている
気がした。通すかどうかは、2週目の説明会を終えたところで考えようと思
った。
……
ちょっと脱線したが、話は説明会の第2週目。
毎回、3~4名の学生が参加してくれていた。
2週目の2日目の説明会だったと思う。その日の説明会には史上最多の5名
が参加していた。
さらに、もう1名、少し遅れて到着するという連絡のあった学生がいた。
関西の学生で、飛行機が遅れて到着し、浜松町から電話を掛けてきたのだ。
「なかなかしっかりとした丁寧な電話の出来る学生だったよ」と、
電話を受けたマルヤマ(当時唯一の社員、事務担当)が教えてくれたので、
楽しみにしながら、到着を待っていた。
説明会が始まって10分くらい経った頃。全員の自己紹介が済んで、
いよいよボクが会社の説明を開始するタイミングだった。
ドタドタドタドタと、入り口から一人の女子学生が入ってきた。
「も、申し訳ございません、遅くなってしまいました!」
そのコトバは、大阪の人間だとすぐにわかるイントネーションだった。
コトバのみならず、外見・雰囲気ともに、明らかに、その回に参加した
どの学生よりもクッキリと目立っていた。
その学生の名前は、「フルカワアキコ」といった。
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