自転車操業物語 プロフィール
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  第66話    「内  定  辞  退」    
2000年7月第1週。

パフの新卒採用第一期生、計5名に内定を出した。

1.「ヨシカワアユ」
2.「ササキタカノリ」
3.「フルカワアキコ」
4.「ササキアサヒ」
5.「Y.C」

以上の5名だ。

ところで5番目のY.Cさん。なぜか彼女(そう女性です)だけは、イニシ
ャルで書いた。

Y.Cさんは、実は一回は、パフの最終面接で不合格とした学生だった。

自分を素直に出し切れない、何か周囲にバリヤを張っているような印象を
ボクはY.Cさんとの面接で感じていた。

そして迷った挙句Y.Cさんを、いったんは不合格としたのだ。


しかし、Y.Cさんの頭の良さや芯の強さには、とてもひきつけられるもの
があった。このまま縁を切ってしまうのが非常に惜しく感じられた。


そこでボクはY.Cさんに不合格を言い渡した後に、

「もう一度だけ面接したい。キミを前回合格とできなかった理由は○○や
○○(実際には色々と書いた)だったからだ。これらのことを理解した
うえで、もう一度チャレンジしてみないか?」

というようなメールを送ったのだ。


Y.Cさんは、パフに再チャレンジした。そして、ボクに指摘された悪いと
ころを、キチンと直してくれていた。

「Y.Cさん、内定だよ。おめでとう。これから一緒に頑張ろう」と面接の
最後、ボクは立ち上がって彼女に握手を求めた。

Y.Cさんは、とても嬉しそうで今にも泣き出しそうだった。


しかし、その数日後。Y.Cさんは、「内定辞退」の電話をよこした。
実は、パフと同じくらいに行きたい会社があり、ずっと悩んでいたというこ
とだった。悩んで悩んで悩んだ末に、もう一社の方に行くことを決心したの
だと言う。

「実は、パフの同業のY社なんです。とても悩んだんですが、Y社で自分
の力を試してみたいと思うようになりました」とY.Cさん。

非常に残念だった。
しかし、これも縁。

「わかった。Y社はとても良い会社だと思うよ。ぜひ頑張りなよ!」

こう言って電話を切った。

……

というわけで、パフ新卒第一期生は、男性2名、女性2名という結果的に、
ちょうどいいバランスで決定した。


さーて。事務所移転も完了したし、新卒採用も無事終った。
あとは、資金調達を何とかやり遂げなければ!


ボクは、事務所移転や新卒採用と並行して、公募増資の準備を、証券会社と
一緒に進めていたのだった。

(Y.Cさん残念!逃がした魚は大きかった?…つづく)

 
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