1998年の暮れ。会社(パフ)を立ち上げて丸1年が経ったころ。資金繰り
に喘いでいた冬の日のことだった。
サラリーマン時代に、適性検査の開発の仕事で付き合いのあったOさんから、
突然電話がかかってきた。
O:「クギサキさん、お久しぶりです~。ホームページ見てますよ。就職応援
ページ、とてもいいですね!」
資金繰りの苦しさはさておき、『パフの就職応援ページ』の運営は順調で、特
に、掲示板『就職相談室』には、連日多くの就職活動学生の相談ごとが書き込
まれていた。Oさんは、その掲示板を読んでくれていたのだ。
O:「ところで、クギサキさんにぜひご紹介したい人がいるんです。学生援護
会で就職情報誌の編集や企画をやってた人なんですが、昨年独立して、個
人で就職支援の仕事をやってる人なんです。ホンダカツヒロさんていう人
なんですが……」
その名前を聞いて、僕は「ん?」と思った。聞き覚えのある名前だったのだ。
釘:「Oさん、その本田さんていう人、聞いたことがあるんだけど……」
O:「え、そうですか?いや、まだそんなに有名なはずはないんですが。ホー
ムページもまだ立ち上げたばかりだし」
ホームページと聞いてピンときた。
釘:「Oさん、本田さんって、『ポンタの就職ナンチャラ…』っていうホーム
ページを立ち上げてる人では?」
O:「そうです、そうです。見たことあるんですか?」
釘:「はい、偶然なんですが、何日か前に見つけて、コラムを読んでました。
すごく温かくて、かつ、現在の就職や採用に対して、的を得た指摘が多く
て、読んでとても感銘を受けました」
O:「そうだったんですかー。それは縁ですね」
釘:「Oさん、その本田さんと関係があるんですか?」
O:「はい、やっぱりちょっとした縁があって、マネージャーみたいなことを
やってるんですよ」
釘:「へー、そうだったんですねー」
O:「本田さんもパフのホームページを読んで、クギサキさんにとても興味を
持ってるんです。よかったら今度セッティングしますんで、会っていただ
けないですか?」
釘:「あーもう、ぜひぜひ、喜んで」
・・・・・
そう。この会話に出てくる「本田さん」こそ、現在、キャリアコンサルタント
として日本全国で活躍している本田勝裕氏。通称ポンタさんのことだ。
しかし、このころのポンタさんは、まだ独立したばかりの駆け出しコンサルタ
ント。いくつかの大学で講演はしているものの、一般にはまったくの無名の貧
乏コンサルタント(本田さん、ごめん)だった。
Oさんとのこの電話での会話から数ヵ月後、僕は本田さんに初めて会うことに
なる。そして、それからというもの急ピッチで、本田さんとパフとの接点が、
多数生まれることになるのだった。
(つづく)
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