自転車操業物語 プロフィール
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  第50話    「新年早々、病院に担ぎ込まれる」    
2000年1月4日。

パフの3年目が、スタートした。
2年間、ギリギリのピンチをかいくぐりながら、なんとか生きてきた。
しかし、相変わらず資金繰りは厳しく、社員の採用もできず、スタッフはボ
クと身内の経理担当のみ。

今年こそ、なんとかこの脆弱な体制にピリオドを打とうと思っていた。

まず、仕事始めのこの日に行ったこと。

……それは「商売繁盛」の初詣だった。
(この神頼み体質がよくない?)

東京・港区虎ノ門に、「金刀比羅宮」がある。ここでお参りをし、売られて
いるお守りを持っていれば「商売繁盛」のご利益があるらしい。

ボクはカミさんと娘(当時小2)を連れて、金刀比羅宮に出かけていった。

お賽銭を入れて、手を合わせる。

「今年こそ会社の基盤が整いますように。いや、それより前に、潰れません
ように」

などと願った。

天井に貼り付けるとご利益が得られるというお守りも買った。

「さー、会社に戻って早速仕事を始めるかー!」

と気合を入れながら、柔軟体操のごとく体を左右にひねった時に、突然悲劇
は訪れた。

腰から背中にかけて鈍い痛みが走ったのだ。
同時に、息が出来なくなってしまった。鈍い痛みが激痛に変わっていった。

そして、立っていることができずに、ついには路上に倒れこんでしまった。

「きゅ・救急車を呼んでくれ……。息が、で・できないーーー」

救急車を呼んでも時間がかかると判断したカミさんは、すぐにタクシーを拾っ
てくれた。

タクシーの運転手さんも、ボクの青ざめて苦しそうな表情にビックリして、
車から降りて、ボクを車中に担ぎ込んでくれた。

そして運び込まれたのが、金刀比羅宮から徒歩3分もかからないところにあ
る「虎ノ門病院」。

呼吸がまともに出来なかったボクは、きっとすぐにでも緊急手術室に運び込
まれるものと思っていたのだが……。

(年明け早々災難だねー。…つづく)

 
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