2000年2月中旬。
事務所移転と新卒採用を敢行することに決めたボクは、様々な金策を考えて
いた。
「まともなベンチャーキャピタルは出資に応じようとしないし、たまに応じ
るところがあったかと思えば、SI社のような出資だか押し売りだかわから
ない会社だし……」
かといって、銀行はまったく当てにならなかった。というよりも、パフは銀
行からみれば、「論外」な会社だった。
「くそー。こうなったら、やはり公募増資しかないか」
この時、パフの株主数は、約40名。
すでに、たいへん多くの方々が、株主としてパフに関わっていた。
公募増資するとすれば、さらに100名以上の株主が、加わることになるだ
ろう。
正直に言うと、まだ会社の足元も固まっていない状態の中で、いたずらに
株主を増やすのは、あまり好ましくないことだと思っていた。
そんな矢先、また天使の顔をした「悪魔」がボクに近づこうとしていた。
今度の悪魔は、「パフに大口の安定株主を紹介する」というものだった。
「個人の資産家をはじめとして、様々なネットワークを有している。
3000万円くらいまでなら、いつでもOK。報酬は成功報酬で構わない」。
この話には正直言ってぐらぐらっと来てしまった。
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