時は西暦2000年12月31日。
僕は、仕事納めと大掃除の終わった会社にひとりいた。
あと数時間で20世紀が終わる。そして、次の瞬間、21世紀がスタートす
る。
パフの3年目の決算は、前年よりも50%近くの売上増となっていた。
これは、この年の内定者である、ヨシカワ、フルカワ、アサヒ、タカノリの
4名の奮闘の賜物である。
しかし、まだ利益が生み出せるまでの体質にはなっていなかった。
会社とは、利益を出すことができてはじめて存在する価値がある。利益を出
せない会社が、世の中に偉そうなことを言ってはいけない。そう思っている。
そういう意味では、当時のパフは、まだ社会の片隅で、ひっそりとしていな
ければならない存在だった。
ちなみに、この年の決算は、売上=約6000万円、
利益=マイナス400万円であった。
もう一歩であった。
新人たちと僕とで、21世紀最初の年に、パフをなんとか利益の出る会社にし
たいと考えていた。
午前0時を回った。
いよいよ21世紀。新しい年の幕開けだ。
僕は、数日後の仕事始めの時に話すための、「社長のメッセージ」を考えて
いた。
パフ初の新入社員が正式に入社するまで、あと約3ヶ月。
希望と期待と、ちょっとした不安の入り混じった21世紀の始まりだった。
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