今回も小学生時代の女の子ネタ。れい子ちゃん、カバゴンに続いて3人目だ。
こいつ、よっぽどのマセガキだったんじゃないか?と思われるかもしれないが
そうではない。冬ソナのヨン様もびっくりするくらいの純情な少年だったのだ。
そのくせ、惚れやすい。惚れてるくせに、その気持ちを正直に伝えることので
きない恥ずかしがりやの、イジイジ・グズグズとした少年だった。この性格は
今でもあまり解消されていない。実はこうやって昔のことを思い出しながらコ
ラムに書くのも恥ずかしい。
でも、「素晴らしき100の出会い」というタイトルを付けた以上は、やっぱり
女の子との出会いを書くことは避けて通れない。
なので、きょうも書く(長々と執筆の正当性を説明してしまった)。
今回の出会いは「涼子ちゃん」。小学校5年生と6年生のときの同級生だ。
涼子ちゃんは可愛いというよりも、「か弱く美しい」タイプの女の子だった。
体が弱く貧血気味で、学校を休むことも多かった。また全校集会で、長時間校
庭に立たなければいけないときなどは、決まって地面にうずくまっていた。
僕はそんなか弱い涼子ちゃんを見るたびに切なくなっていた。可哀そうに…と
いう同情の気持ちとはちょっと違う。「俺が彼女を守ってあげることができた
ら」とか、「そばに付き添ってあげられたら」とかいう思いだった。そして、
そんなこと実際には出来っこない自分が悔しい、という思いだったのだ。
でもこの涼子ちゃん。性格はとても明るかったし、成績もクラスの中で上位の
方だった。体調がすぐれているときなどは、一緒に冗談を言い合ったり、じゃ
れあったりもしていた。
ところが小学校の卒業式が近づいたある日、ショックなことがあった。
涼子ちゃんに、「クギサキくんはミカちゃんのことが好きだったんでしょ?」
と言われたのだ。ミカちゃんというのは、やはり同じクラスの女の子。涼子
ちゃんとは対照的に、とても元気ハツラツ。小柄だったがスポーツもよくできた
子だった。
「そげんこつあるかっ!俺が好きなのは涼子ちゃん。お前なんぞ!」
そう叫びたかった。が、実際には何も言えず、僕は顔を赤らめて「な、なに言
うちょるんじゃ…」。そう答えるのが精一杯だった。
それ以来、涼子ちゃんとは何となく気まずくなってしまった。そしてその後、
同じ中学校に通うのだが、二度と同じクラスになることもなく、話をする機会
すら失ってしまった。
30年以上たった今でも、あの時、もうちょっと勇気を出せたらよかったのに
なぁ……と思い出し後悔する。
僕のちょっとほろ苦い8つ目の出会い。涼子ちゃんのお話でした。
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