釘さんの100の出会い プロフィール
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  <第138話> 「新卒四期生 平原葉子の巻」   2007/09/03  
 
新卒四期生たちとの出会いの多くは、2003年秋から2004年春にかけて開催され た大学3年生向けのイベントのなかで訪れた。

パフがイベントを数多く開催するようになったのは、その前年の2002年秋から。 新卒ニ期生たちが正式に入社し、人数も増え、イベントをたくさんやるだけの 体力が備わってきてからのことだった。

本日登場の平原葉子(以降、ヒラハラ)も、3年生の早い段階からパフのイベ ントに参加していた、いわゆる「常連さん」だった。

ヒラハラは、大学で農芸化学を専攻しており、有機化学やら、生体高分子化学 やら、生分解性プラスチックやら、ド文系の僕にはチンプンカンプンな分野の 研究に携わっていた。

就職先も、この農芸化学の専門を活かすべく、食品会社や化学会社を考えてい たし、本人も、当然自分はその道に進むはずの人間だと思っていたという。

しかし、パフのイベントに参加したことで、その進路に対する考え方に変化が 訪れた。無謀にも、「パフで働く」という選択肢を設けてしまったのだ。

パフのイベントは、視野が狭くなりがちな学生に、幅広いものの見方や考え方 を提供しようという意図で開催している。それは確かなのだが、ヒラハラのよ うな研究職志向の学生を、ドブ板営業が中心で、組織としての体をなしていな いパフのような会社に振り向かせることになろうとは思いもしなかった。

ヒラハラは、パフが開催するほとんどの種類のイベントに参加していたのだが、 特に僕がよく覚えているのは、「つきしま村塾」と「うまれよ塾」に参加して いたときのヒラハラだ。

「頭の回転がムチャクチャ速い代わりに、せっかちで、途方もなく負けず嫌い」

これが、僕が当時の彼女から受けていた第一印象だ。

パフには、多少の粗や失敗はあったとしても、とにかく遮二無二走り続けるこ とのできる人材が必要であり、バイタリティあふれるヒラハラのような人材が まさに求められていた。もし本気でパフを応募してくれるなら、ぜひ採りたい と思った。

ヒラハラも、いつしかパフがダントツの第一志望になっていた。

結局、ヒラハラはパフに入ることになるのだが、実はこんなエピソードがある。

僕の実兄が社長を務める某人事コンサル系の会社(パフより遥かに大きく、遥 かに歴史と実績と信用のある会社)があるのだが、ヒラハラはその会社(H社) にも応募していた。

僕は冗談交じりに、「へー、じゃあ、ヒラハラがパフに合格するための条件は、 H社から内定をGETすることだね。そのうえで、H社を見事蹴ることが出来 たら、パフに入れてあげてもいいよ、ハハハ」などと言っていた。

数日後、そのH社の社長である実兄から電話がかかってきた。

「おまえ、ヒラハラという学生知ってるか?」

「えっ? 知ってるも何も、うちの応募者だよ。かなり真剣にうちへの入社を 考えてるみたいだよ」

「やっぱりそうか。いや実はオレがきょう最終面接したときに、『私の第一志 望はパフです』って何度も言い張るんだよ。そんな奴見たことないからびっく りしちゃってさ。うちでも内定を出そうと思ってるんだけど、もしお前の会社 が本気で採用するんなら、早めに内定を出してくれないかな」

まさか本当にH社から内定を得るところまで進んでいたとは、正直びっくりし たし、とても嬉しくも感じた。当時H社に入れるのは、ほんの一握りの優秀な 人材だけだったのだ。

ともあれ兄の勧めもあり(笑)、ヒラハラには最速で内定を告げることにした。 そして一年後、ヒラハラは何の迷いもなく、パフに入社することになる。

入社までは何の迷いもなかったヒラハラだが、入社した後のヒラハラには、迷 いや悩みがたくさんあったように思う。志望度が高く、会社への期待が大きか ったぶん、現実とのギャップも大きく、戸惑うことが多かったのではないか。

入社一年目は張り切るあまり、空回りしてしまう自分が悔しかったのではない だろうか。入社二年目の昨年は、パフの現実が、「あるべき姿」とは程遠いと ころで右往左往しているのが腹立たしく、歯がゆかったのではないだろうか。

しかし、そんな迷いや悩みや悔しさ・歯がゆさがあったにもかかわらず、いや、 むしろそれらをバネにして、ヒラハラは大きく成長してきた。

三年目のいま、営業の中堅の役割とともに、イベントプロジェクトのリーダー の役割も担っているヒラハラ。もはや悩んだり迷ったりする隙さえないのかも しれない。

「頭の回転がムチャクチャ速い代わりに、せっかちで、途方もなく負けず嫌い」

まだ学生だったヒラハラから僕が受けたこの第一印象は、昔も今も変わらない。

そして同時に、「負けず嫌い」とは矛盾するかもしれないが、周囲のことを人 一倍気遣っているのもヒラハラであることを僕は知っている。

そんなヒラハラには、大好きで入ったパフを、本当に入ってよかったと思える 会社に、皆で力を合わせてしていってほしい。いまでも十分に頑張っているヒ ラハラだが、これから先、もうひとつ上のステージで、ますます活躍して欲し いと思う。

ということで91番目の出会い。新卒四期生のヒラハラこと、平原葉子との出 会いでした。
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